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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

今までの経験上、意地悪をされるのかと思いきや、潮崎さんはパッと両手首を放して後ろに下がってくれた。
「子供の頃も隙だらけだったけど相変わらず風子はとろいなー。男からちょっかい出されたりしない?」
ソラ先輩からも隙があると言われたから否定できない。
「さあ、どうでしょうね」
私が面倒を見ないといけない立場だから適当に返事をしてさっさと丁合いに戻る。
「子供の頃も風子がとろいから面白がって脅かしたりしたことがあったんだ。
あの頃の風子は笑っていたけど、今はやっぱ違うな」
「当たり前です。子供じゃないんですから。……私達ってそんなに仲が良かったんですか?」
「そう!仲良かったよ。しかも風子は、バレンタインデーに手作りチョコをおれにくれてたから。
カラフルスプレーがのっていて可愛くデコレーションされたチョコを今でも覚えてる」
「バレンタインデー……?」

