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第55章 届かぬ愛の裏切り

「そうなのかー。好きじゃないのか……。……ところで今朝のニュース見た？あの大物俳優が不倫とかびっくりなんだけど。
年末年始から不倫のニュースが多くね？」



質問終了……？


これで課長の話題は終わり……？


いつもそこから「付き合わないの？」っとか話が発展するのに潮崎さんは好きか、嫌いかただ聞いただけのようだった。


「確かにそうですね……。あまりいいニュースは聞かないですよね」



「つい最近だと、大手企業の社長の孫が婚約者に浮気されてるって話題になったよなー。

社長と医者の父親は有名な人だから孫も東京にいるのかと思ったら、この辺に住んでるって聞いてびっくりした。

しかも住んでるところはおれらの会社の近くじゃんって」



コンビニから会社へと向かって横断歩道を渡っている時に笑いながら言われた話題にヒヤリとした私は足を止めた。


信号が赤へと変わりそうになったから急いで足を進めたけれど、走ってもないのに鼓動が激しくなる。



「あはは……。そうですよね……、びっくりですよね……」



「うん。でも婚約者が浮気したくなるのも分かるなー」


「は……？」