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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

潮崎さんが出て行った隙を見計らってこっそりとこの異変のきっかけを課長に聞いてみる。
「特に何もないが、そう見えるのか?」
「はい……。でも何もないんですか……」
絶対に何かあると思って聞いたから何も収穫がなくてぽかんとしてしまう。
課長の心境はあまり変わりないならば変わったのは潮崎さんの方となる。
仲が良いのはいいことだけど、なんだか嫌な予感がする……。
その予感が的中したのか分からないけど、昼休みに潮崎さんとコンビニに行った時に定番の質問が飛んできた。
「なぁ、乙羽って課長のことが好きなの?」
またこれだ。
もう何度言われたか分からないから聞き飽きて笑顔が引きつる。
「仲が良くても課長に恋愛感情はありません。世の中には仲が良くても男女の関係にならない存在の人もいるんですよ。
よく聞かれるのでうんざりしてますからその話はやめてくださいね」
今後のことを考えて正しい説明を付け加えて自衛した。
陸田夫妻のお節介があったおかげなのか我ながら成長したと思う。

