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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

それから数日後。またしても職場で異変が起きていた。
「課長ー!コーヒーを淹れましたのでどうぞ」
「ありがとう。潮崎」
いつも私が暇つぶしでしている仕事を潮崎さんに奪われた。
陸田さんがいなくなってからしばらく険悪な雰囲気に挟まれていたけれど、何があったのか急に和やかな空気になった。
潮崎さんが職場に慣れてきたのもありそうだけど、課長と打ち解け始めている。
社交的そうな人だからおかしくはないけれど、なぜなのか課長の前では特別に愛想が良かった。
「風子はほうじ茶だよな!今持ってくるから待ってて」
「あっ、ありがとうございます……」
私にも親切にしてくれるのは嬉しいけどなんだか調子が狂う。
「あの……、課長。最近潮崎さんと一気に仲良くなったみたいですけど、何かあったんですか?」

