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愛おしいキミに極甘な林檎を
第44章 愛の結晶



「あれ、そうだっけ?僕の聞き間違いかな。やっぱり今日は受験勉強はしようっと……。それじゃあ、またね」


惚けた昴くんはそう言ってすぐに部屋から出て行った。


きっとさっき話した私に伝えたいことがあったから二人っきりになりたかったんだろう。


幸せになってもらいたいと本人の前で言うには恥ずかしい。



「何を話していたの?」


「いえ、世間話くらいで特になにも。でも昴くんとは仲良くなれそうです」


笑ってそう言うとソラ先輩はきょとんとした顔をしてから再び私の隣に腰を掛けた。



「明日は午前中に家を出て、東京を少し観光して帰ろうか。どこか行きたいところはある?」


結婚の報告ついでに観光をして帰る予定だった。

そのために泊まる準備もしてきている。


でもソラ先輩の家族である祖父母に反対されたまま帰っていいのか不安になってきた。



「あの……。まだお爺さんに会ってないですけど、会わなくていいんですか?」


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