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蜜会
第2章 湧き出す
「俺のとこは、お父さんから聞いてる?」


 途中のコンビニで買ったペットボトルのウーロン茶を飲みながら安宅さんが聞いてきた。


「一応、瑠璃ちゃんの街にも営業所はあるよ」

「そうですね。父からは、震災の後くらいから人がすごく減らされたって聞いてます」

「そうそう。やっぱり原発関係で人も仕事も減ったのが痛くてね。うちの事務所で現場を監督する権限があるのが、今じゃ瑠璃ちゃんのお父さんと副長の俺だけなんだ」


 私の父は大手の電気工事会社の営業所長をしている。

 今いる事務所……北陸営業所に一応、栄転という形で異動して所長になったから、その前は安宅さんと同じ副長だったようだ。

 聞くと安宅さんは北陸営業所には父よりも長くいるらしく、もしかしてそろそろ転勤かもしれないという話だった。

 じゃあ次はそれで安宅さんも所長になるのか、それともまだ副長のままなのかな。


「それじゃ、父と安宅さんのどっちかが病気になったら、もう片方が大変なんですね」

「そうだよ。お客さんの都合によっては土日も仕事だから、お父さんと交代で現場に行くんだけどね。二月くらいかな、お父さんがインフルになったの、聞いた?」


 そういえば母がLINEでそんなことを言っていたような気がする。

 インフルエンザは一週間の出勤停止を喰らうので母親は「お父さんが一週間も家にいる」みたく愚痴っていた。


「人が減ろうが、仕事が減ろうが、いつも二月と三月は忙しいんだけどね」

「現場系ですもんね。そういえば父も、今日は祝日なのに仕事に行きました」

「そうそう。で、昨日は俺が休日出勤だったの。ま、しゃあないさ」
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