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蜜会
第4章 満たされる
 ローションのぬるぬるとあふれた精液を二人ともシャワーで洗い流すと、いったんお風呂から出ることにした。


「いつもこんな風に、若い女の子とホテルでしちゃうの?」

「まさか、初めてだよ。言ったでしょ、瑠璃ちゃんが初めて」

「へぇ、じゃあこれは『遊び』?」


 バスタオルで体を拭く義樹の顔を覗き込んで、私はこわごわ聞いてみた。

 確かにこれっていけないことだし、そして私も義樹に奥さんと別れてまでつきあってほしいとも思ってはいない。

 それでも「遊ばれる」のはちょっといやかな、と思っていたのだ。


「遊びで、こんな風に嘘をついて時間を作って遠くの女の子に会いに来ないよ」

「へぇ……」


 そりゃそうだけど、って不満が顔に出たのだろうか。

 今度は逆に義樹が私の顔を覗き込んで聞いた。


「じゃあ瑠璃ちゃん、俺に『命を賭けた恋です』なんて言われたい?」

「えっ、いや……いいよ」

「でしょ? 瑠璃ちゃんはまだ若い。俺なんかにそんなこと言われたら重たいでしょ。だから、本当にめちゃくちゃ好きでも、抑えてるよ」


 そう言って義樹は私をまた、抱き寄せる。


「でも、本音は瑠璃ちゃんが好きでしょうがないよ」


 ……初めて、好きと言ってくれた。


「瑠璃ちゃん、瑠璃ちゃんが好きだよ」

「うん、私も。義樹、好き……」

「嬉しいね」


 そう言って、いつものエッチなキスじゃなく、優しい触れるだけのキスをしてくれた。

 やっぱり女だもんね。騙されてるような気もするけど、今はそれでいいや。
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