この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
蜜会
第3章 溢れる
 その駅前のデパートがどうのとか、ご飯を食べながらいろんな話をして、安宅さんがわざわざ探して買ってくれたデザートの箱を開けると、何て偶然なんだろう。

 安宅さんが選んだのは、今が最盛期であるつやつやのイチゴを使ったタルトだった。

 この前のことを思い出して一瞬だけ複雑な顔をしたので「嫌い?」と心配そうに顔を覗き込まれた。


「ううん、違うの。実はね……」


 祐一にムカついてそのまま別れた話をしたら、「あらあら」と芝居がかった口調で安宅さんは箱を開いてお皿にケーキを乗せた。


「ま、タルトに罪はないでしょ?」

「うん、すごくおいしそう」


 実際、食べてみたら生クリームもしつこくないし甘酸っぱいイチゴも贅沢にたっぷり乗っていて、素直に「おいしい!」って声が出ちゃうくらいだった。

 ああ、こういう安上がりなデートで全然、幸せ。

 私はグルメでもセレブでもなんでもないから、ホテルでシェフの挨拶なんかいらない。

 祐一は自分の作っているイチゴにこだわりがあって、だからよそのイチゴは食べない。

 作り手としてそういう感覚も必要なのはわかるのだけど、ちょっと、一緒にいてそういうところもめんどくさかった。
/58ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ