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蜜会
第3章 溢れる
 しょうがないことなんだけど、祐一はだいたい冬が来る前から梅雨入り寸前まではずっと農園にかかりきり。

 イチゴの直売所もあるし、ホテルのレストランとかケーキ屋にイチゴを卸している関係で土曜と日曜はだいたい仕事。

 だからデートはこの半年ずっと、直売所の定休日である火曜の夜にしていた。

 正直、祐一はそれでよくても私に時間がないし、いくら自分にその気がなくとも、好意を持たれている男の人と二人きりで会うのは精神的に疲れる。

 今日はそんな予定を全く入れてなかったのでどうでもいい服装だったけど、約束をしていたころはやっぱりそれなりにおしゃれもしたし。

 三回ほど会ったあたりから「土日はうちに来て手伝わないか、日当はあげるから」と言われていたんだけど、前に「市役所の人もうちによく買いに来る」と聞いていたので、そんなところで私を知る市民さんや職場の人と鉢合わせたら副業疑惑をかけられる。

 それに休みの日にまで接客で神経をすり減らすのは、今の私には臨時収入を得られるメリットよりもデメリットの方が大きくていやだなというのが大きかった。

 祐一は本当にお金持ちで、何でもネットで欲しい物は取り寄せて買うし、家も立派で大きい。

 でも結婚するならその豪邸で、彼の両親との同居が前提になる。

 たとえ祐一が私に仕事を辞めなくてもいいよと言ってくれたとしても、彼の実家に住んで農園にいたらオンとオフがごっちゃになりそう。

 そう考えれば考えるほど、やっぱりこの人と一緒にいるのは無理だなぁって思える。

 祐一の運転している横顔すら見ず私はスマホでニュースや明日の天気予報を読んでいた。
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