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蜜会
第3章 溢れる

気が重たくてなるべく遅れて行きたかったのだけど、課長が「ほら、今日は『健康と家庭の日』だ。帰れ」と言うので十八時前にしぶしぶ出退勤システムに時間を入力して庁舎を出る。
指定した場所に行くと祐一は仕事に使っている銀色の軽自動車を停めて待っていた。
暑いのか何なのか車内ではなく車の外で立ってスマホをいじっている。
最初は農家さんだってわからなかったくらい、眼鏡をかけたサラリーマン風の男なんだけど。
実際、高専を卒業後はすぐ農園で働かずにサラリーマンをしていたこともあったらしい。
ワイシャツにスラックスでいるということはちょっといい店で晩ご飯を食べるつもりらしい。
「なに?」
「何って、晩ご飯を食べようって俺は言ったじゃないか」
まただ。
祐一のこういう物言いをするところが前からひっかかりを覚えていたので、あまり話さなくなってしまったというのもある。
俺は最初に言っただろ、みたいなやつ。
「乗れよ」
「いいけど明日も忙しいから、食べたらすぐ帰るね」
祐一の返事は待たずに私は助手席に乗り込んだ。
指定した場所に行くと祐一は仕事に使っている銀色の軽自動車を停めて待っていた。
暑いのか何なのか車内ではなく車の外で立ってスマホをいじっている。
最初は農家さんだってわからなかったくらい、眼鏡をかけたサラリーマン風の男なんだけど。
実際、高専を卒業後はすぐ農園で働かずにサラリーマンをしていたこともあったらしい。
ワイシャツにスラックスでいるということはちょっといい店で晩ご飯を食べるつもりらしい。
「なに?」
「何って、晩ご飯を食べようって俺は言ったじゃないか」
まただ。
祐一のこういう物言いをするところが前からひっかかりを覚えていたので、あまり話さなくなってしまったというのもある。
俺は最初に言っただろ、みたいなやつ。
「乗れよ」
「いいけど明日も忙しいから、食べたらすぐ帰るね」
祐一の返事は待たずに私は助手席に乗り込んだ。

