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埋み火
第2章 熾し火
 とっぷりと日は暮れ、また特急で帰るため朝に降りた駅にまた戻ってもらうことにした。

 ロータリーに車を停めると賢治はサイドブレーキを引いてハザードランプを点灯させる。


「気ぃつけて帰ってな」

「今日はありがとうございました」

「ほんまに京都まで送るのに、ええかい?」


 霧子は賢治の申し出に応えながらシートベルトを外した。


「大丈夫です、車より特急のほうが早いですし。けっこう国道って土日は渋滞するんですよ」


 賢治が何度か「疲れてるだろうし家まで送るよ」と言ったが、さすがに霧子は遠慮して「特急があるから大丈夫です」と固辞した。

 長距離運転でとんぼ返りになるので悪いなと思ったのもあるが、あれだけ手をつないだり腰を抱き寄せられた後だからさすがに一人暮らしの今は少し警戒してしまった。

 愛妻家の賢治に限ってそこまでのことにはならないだろうが、警戒し過ぎるのも年増女のくせに自意識過剰だと思われていないか心配になってしまう。


「霧ちゃん、つぎの連休は予定ある?」

「ん? シルバーウィークですね、もちろん何もないですよ」


 危惧を振り払うように、霧子はおどけて答えた。


「じゃ、今度は俺がそっちに行こっかな。また一緒に晩ご飯、食べよっか」

「はい」


 賢治は霧子の目をみつめたまま手をとり、五本の指をしっかりと絡め取った。
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