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埋み火
第2章 熾し火

「うん、ええな。工藤さん、てのもちょっとアレやね。じゃあ、霧ちゃんね」
「……はい」
霧子は賢治よりも十センチ以上背が低い。
賢治の顔を見上げて名前を呼んできたので、手を腰に回して「嬉しいな」と抱き寄せた。
シャンプーなのか、霧子の髪からさっぱりとした清潔感あふれるシトラスの香りがした。
(可愛いなぁ、昔より格段に色っぽいわ)
スレンダーな体で透けるように白い肌をもち、あどけない顔だった新人時代の霧子もよかったが、今の少しむちっとした体つきの霧子もまた色香があってよいと賢治は思った。
駅のロータリーで待っている霧子を見て「ああ、あのころ俺が惚れた子だ」と懐かしくなり、コロコロと笑う口元に魅入り、上目づかいで「賢治さん」と呼ばれた今、とうとう我慢できずに腰を抱き寄せてしまった。
結婚してから浮気をしたことはなかったのに、霧子の唇とショルダーバッグの紐が食い込んだ柔らかそうな胸元が気になってしかたない。
「……はい」
霧子は賢治よりも十センチ以上背が低い。
賢治の顔を見上げて名前を呼んできたので、手を腰に回して「嬉しいな」と抱き寄せた。
シャンプーなのか、霧子の髪からさっぱりとした清潔感あふれるシトラスの香りがした。
(可愛いなぁ、昔より格段に色っぽいわ)
スレンダーな体で透けるように白い肌をもち、あどけない顔だった新人時代の霧子もよかったが、今の少しむちっとした体つきの霧子もまた色香があってよいと賢治は思った。
駅のロータリーで待っている霧子を見て「ああ、あのころ俺が惚れた子だ」と懐かしくなり、コロコロと笑う口元に魅入り、上目づかいで「賢治さん」と呼ばれた今、とうとう我慢できずに腰を抱き寄せてしまった。
結婚してから浮気をしたことはなかったのに、霧子の唇とショルダーバッグの紐が食い込んだ柔らかそうな胸元が気になってしかたない。

