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埋み火
第2章 熾し火
 そして週末、待ち合わせの十一時ちょうどに霧子は指定された西舞鶴駅のロータリーにいた。

 いつもはだいたいブラウスとスカートだが、今日は海へのドライブということで紺と白のボーダー半袖カットソーに白いデニム、白のスニーカーというアクティブな服装だった。

 髪の毛がつぶれるのがいやだったが、九月も下旬に入ったとはいえまだ日差しが強いのでこれも白いキャスケット帽をかぶってきた。

 本当は早く出発して安い各駅停車の便でのんびり行こうと思ったが、寝坊したため特急「まいづる」に乗る羽目になった。

 布団に入っても博之の顔ばかり思い浮かべてしまい、なかなか前夜に寝つけなかったからだ。

 待っていると鮮やかな青色のステーションワゴンがロータリーに進入してきて、霧子の前に停まった。

 中から日焼けした壮年の男、荒木賢治が笑顔で出てくる。

 白いポロシャツに履き古したジーンズというラフな服装で、引き締まった体躯の持ち主だ。

 銀行員というよりスポーツ選手やそのコーチといった雰囲気を持っている。


「久しぶり!」

「お久しぶりです」

「ここ、長く停めてられんから乗って」


 賢治の車に乗ると、車内は乱雑で後部座席には古雑誌や子供の上着などが散らばっている。何かと大雑把だった彼の車らしい、と霧子はほほえましくなった。
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