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オカシ屋サン
第5章 バスク風チーズケイク②

テーブルの横まで歩き、伸ばした手で三恵の頭を撫でた。

喉から出てきたオカシ屋にそっくりな声も、急に優しい声音に変わる。

「…後は私がこの手でお前を気持ちよくしてあげますよ」

「‥ッ…‥ホ‥……本当、ですか?あなた…」

「さぁ。起き上がって仰向けになり、恥ずかしい場所を私に差し出しなさい」

「ハァ…ハァ、ぅれ‥…しい‥‥」


そこで俺はようやく、この会話の不自然さに気が付いた。


「…そう、膝を曲げてM字に開くのです。上半身は自分の手で支えていなさい」

「ぁ‥…そんな、こんな格好……っ」

「…やめますか?」

「…ッ‥いいえ!あなたがいいの。何年も…ッ…ずっとずっと…あなたに触れてほしかったの…!」

オカシ屋は粛々と仕事をこなしているようだが、それに対する三恵の返答がどうも可笑しい。

「……クク、大げさですね」

「ほ、本当です。…結婚してから、あなたがわたしを抱いてくれた事なんて一度もっ…!!」

「──…そうですね。一度もなかった」

「だからわたしの頭はあなたでいっぱいなんです!あなたに抱かれたい犯されたい!…そんな事ばっかりっ…頭に浮かんで、消えません…!!」

こっちを見上げてくる目は虚ろだが、単なる快感ではない何かを強く渇望して熱い涙をたたえている。

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