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鬼ヶ瀬塚村
第8章 弘子
『私の理屈はおかしいかしら?』

『いえ、そんな事は…』

『あなたの不思議に感じたという感想が私にとっての最高の誉め言葉ね…知らない味覚を与える事が出来たのだから』

『お母さん』

黙りこんでいた真理子さんが突然間を割ってきた。

『あら?何かしら?せっかちは損をするわよ?お茶を楽しみなさい』

『…お母さん!…今晩…だぬきをじっだんだけど…』

『………ええ、そのようね…真理子、その話は明日しましょう?』

真理子さんは僕をチラッと見てから

『つまり…お母さん…しんを出来ないわけよね?今…こんな状態だし…だから呼んだのよね?』

と続けた。

『そうね…私は構わなかったんだけれど…みんなが反対してね』

弘子さんは渋々真理子さんに答える。

"しん"???また知らない言葉が出てきたぞ。
僕は黙って2人の会話を聞いていた。

『私がした方がいいの?』

『宗二さんや一郎はそう願ってるわね…』

『………』

『嫌なら…お汚れを貰って私がやるか…優子のちゃごをなぐにおとさせるしかないわね』

『なんでこんな時に…?』

『それはあなたが一番わかっているでしょう?』

『あ、あの…』

僕の一声は2人は停止させ、ゆっくり視線を誘導させた。能面のような顔が2つ、僕をジッと見ている。

『僕…部屋に戻ります』

弘子さんと真理子さんは少し沈黙していた。
返事が来る前に僕は立ち上がる。

『先に行って待ってて?』

それを見て、慌てて真理子さんが申し訳なさそうに僕を見上げる。

弘子さんも僕に頭を深く下げた。
『こんな失礼をする娘に育てた覚えはないわ、悪気はないのよ…どうか許してちょうだい』
弘子さんはスッと真っ直ぐとした背筋のまま顔を上げた。
悲しみに満ち溢れていた。
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