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鬼ヶ瀬塚村
第8章 弘子
僕は"ご馳走様でした"と一礼すると廊下へ静かに出た。

突然鬼ヶ瀬塚村の言葉を放った真理子さんと弘子さん、きっと僕に聞かれてはまずい事なのだろう。
僕に聞かれるとまずい内容を話していたに違いない。

キュッキュッキュッと廊下を歩いていると、背中で真理子さんが鬼ヶ瀬塚村の言葉で喚いているのが聞こえた。

最初から真理子さんが1人で来れば良かったんだ。
なのにどうして?どうして僕は招かれたのだろう?

階段を降りていると、縁側と廊下を隔てる格子戸に明かりが動くのが見えた。
磨りガラスで出来ている為、外の様子が伺えない。

僕はそっと格子戸に近付き隙間を開けた。
見ると懐中電灯を片手に誰かが草むらでガサガサ蠢いているのが見えた。

優子だった。
どうやら失ったイヤリングの片方を必死で探しているようだった。
泣きじゃくりながら"ない…ない…"と呟いている。
その姿にいたたまれなくなって僕は格子戸を開けた。泥と涙で顔が汚れた優子が振り返る。

『…ノブ?』

『優子、僕も探すよ』

僕は靴下を脱ぎ捨てるとジーンズを膝下までめくり、草むらに入り込んだ。

『ノブ、ごめん…ぜっがぐオレにくれだのに…東京の…東京のお土産…』

『大丈夫だよ、きっと見つかるよ』

結局一郎さんが"もう優子寝るべよ"と裏庭にやってくるまで彼女は泥だらけでイヤリングを探した。

けれど…結局イヤリングは見つからなかった。
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