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鬼ヶ瀬塚村
第19章 あの日
こんな場面を僕は見た事がある。
真理子さんが大学時代に描いた漫画のワンシーンだ。
死んだはずの人間から電話がかかってくる…主人公の少女は怯えて出る事が出来ない。

大賞を取った作品だ。

日本中の少女が主人公に共感し手に汗を握り、そしてワクワクしたのだ。

着信を前に少女は泣きながら電話から遠ざかる。
そして玄関の戸がガンガン叩かれる。
更に怯える少女。

下書きした状態の原稿用紙を見せてもらった時、真理子さんは現実でこんな体験をした事があるんじゃないかと思うくらいリアリティを感じた。

引き込まれる魅力と恐怖が原稿用紙いっぱいに詰まっていた。

下書きの状態でそれだ。僕は驚いた。
やがてそこに筆が入り、トーンが張られベタ塗りされホワイトが入る。
僕は焦燥感にかられた。

真理子さんには才能があると直感で感じた。
いや、付き合う前からそれは感じていたけれど…あの原稿を見た時の恐怖は形容しがたい。

真理子さんはリアリティに富んでいる。
まるでそのワンシーンを過去に自ら体験したような鬼気迫るストーリー展開を得意としていた。

僕の焦燥感は正解だった。彼女はそれで大賞を取ったのだから。

そのワンシーンのように携帯は止まっては鳴り、止まっては鳴った。
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