この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
鬼ヶ瀬塚村
第19章 あの日

なんとか締め切りまで間に合い、僕は原稿用紙を茶封筒で厳重に包装し編集部へ送った。
仕上げがやや雑だったかもしれないと思ったが、締め切りまで間に合わせるには仕方がなかった。
何度も何度も読み直し、チェックし…僕はデビューへと茶封筒を送ったのだ。
やがて少年ステップが販売される日が近付いた。
審査の結果発表を掲載した僕が今まで生きてきて一番心待にした販売日だ。
その心踊らせる間、僕はすっかり真理子さんの存在を忘れていた。
そして販売日はやって来た。
深夜に入荷されるのを知っていた僕は夜遅くにコンビニへと自転車を走らせた。
僕はコンビニで少年ステップを購入した。
自分への祝いだと缶ビール2本と煙草を1カートン買った。
ワクワクしてアパートまで自転車を飛ばして走った。
たまらなく生きている実感があった。
誰にも負けない力があるような気がした。
日本が、世界が僕を抱き締めて認めてくれる気がした。
"いつまで漫画漫画と言って現実を見ないんだ?"
と父
"いい加減勉強してちょうだい…"
と母
"まぁた、漫画か…進学する気はないのか?"
と高校の担任
"漫画なんて描いてないで、そこらでバイク走らそうぜ"
と友人
"…あたし、ちょっとわからないのよ…なんか漫画描くって暗くない?"
僕から離れていった桑田理奈
僕を否定した人達からやっと認められるッ!
僕は信じてやまなかった。
仕上げがやや雑だったかもしれないと思ったが、締め切りまで間に合わせるには仕方がなかった。
何度も何度も読み直し、チェックし…僕はデビューへと茶封筒を送ったのだ。
やがて少年ステップが販売される日が近付いた。
審査の結果発表を掲載した僕が今まで生きてきて一番心待にした販売日だ。
その心踊らせる間、僕はすっかり真理子さんの存在を忘れていた。
そして販売日はやって来た。
深夜に入荷されるのを知っていた僕は夜遅くにコンビニへと自転車を走らせた。
僕はコンビニで少年ステップを購入した。
自分への祝いだと缶ビール2本と煙草を1カートン買った。
ワクワクしてアパートまで自転車を飛ばして走った。
たまらなく生きている実感があった。
誰にも負けない力があるような気がした。
日本が、世界が僕を抱き締めて認めてくれる気がした。
"いつまで漫画漫画と言って現実を見ないんだ?"
と父
"いい加減勉強してちょうだい…"
と母
"まぁた、漫画か…進学する気はないのか?"
と高校の担任
"漫画なんて描いてないで、そこらでバイク走らそうぜ"
と友人
"…あたし、ちょっとわからないのよ…なんか漫画描くって暗くない?"
僕から離れていった桑田理奈
僕を否定した人達からやっと認められるッ!
僕は信じてやまなかった。

