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鬼ヶ瀬塚村
第19章 あの日
『うるせぇなッ!!ほっといてくれよッ!!』

僕は力任せに目の前のちゃぶ台を蹴り上げた。
灰皿や真理子さんの手鏡、スーパーのチラシなんかが音を立てて飛び散った。

真理子さんは一瞬身を小さくビクッと振るわせ、目蓋をギュッと閉じていた。

部屋一面に煙草の灰の臭いが充満した。
畳の上には原稿用紙、手鏡、吸殻、そして大量の灰が散らばっていた。
灰なんかは白く煙を上げていた。
チラシは部屋のすみまで飛んでいった。

『どうしてよッ?ねぇ…ねぇ…ノブ…私、嫌だよッ!』

『知るかよッ!真理子さんが出て行かないなら、僕が出ていくよッ!』

僕は立ち上がり、適当なスニーカーを履いて玄関を開けた。
太陽が僕に挨拶する。

背後では真理子さんが相変わらずワーワーと号泣していた。
苛立ちと焦りと不安で僕の頭と身体と心はどうにかなりそうだった。

アパートの階段を降りる足がガタガタ震えていた。

僕は目の前の現実から逃げ出した。振り返る事なく逃げ出したんだ。

夜になって部屋に戻ると真理子さんの姿はなかった。

"もっと違う言い方があったかもしれない"なんて思いながら部屋の明かりをつける。

アパートの部屋は綺麗に掃除され、ちゃぶ台には空になった灰皿、そしてチラシがあった。
原稿用紙も丁寧に重ねられ、机に置かれている。
側には栄養ドリンクが数種類並べられていた。
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