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鬼ヶ瀬塚村
第18章 地獄道
『僕はもう帰れないんだね、そして真理子さんも…』

ポツリと洩らした。
僕の左手に柔らかな感触が広がった。
真理子さんがその白く華奢な手を重ねていた。

『そうみたいね、でも住めば都じゃないかしら?』

蛍が飛び交っていた。
太鼓が囃子が背中から聞こえる。
ひぐらしやスズムシが涼やかな音を鳴らしている。

僕はこの村に閉じ込められたのだ。
改めて実感した。

けれど、どこか後悔に似たなんとも言えない感情はな無かった。
東京に戻ったところで僕には何も無いからだ。
可愛くないバニーちゃんを描き、ソファの窪みをどんどん凹ませ続けるしか出来き無いだろう。

『僕、死ぬの?』

『いずれ死ぬでしょ?何、あんた不死身なの?』

『いや、そう言う意味じゃなくて…』

『何よ?』

『…いつか、真理子さんに食べられるの?』

真理子さんはキョトンとした顔を浮かべ、そして"アハハハッ"と楽しげに笑った。

『気が早いなぁ、ノブは。私と結婚したいの?やだぁ…可笑しいッ!』

『………』

僕は黙ってしまった。

『私は嫌だな、結婚したくない。だって、ノブの事殺したくないし?それにノブって美味しくなさそうッ!』

真理子さんはそう言って僕にニッコリ微笑んだ。

真理子さんは…不器用な女の人だな…そう思った。
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