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鬼ヶ瀬塚村
第13章 人間道
真理子さんの目は濡れていた。
雨水のせいなのか、涙なのかわからない。

『ノブの事も大好きで大好きで仕方がないの』

『真理子さん…』

真理子さんは本当に困ったような表情を浮かべた。
下唇をギュッと噛み、眉はハの字型になっている。

真理子さんはさっきから僕に何を聞かせたいのだろう。

『…お願いだから嫌いにならないで…好きって言ってくれなきゃヤダ………でも、でも…私を嫌いになって欲しい…嫌いって言って欲しいよ…』

『…何言ってるの、真理子さん?』

真理子さんの両目からみるみる大粒の涙が溢れだす。彼女がまばたきをした瞬間、ボロリとそれは重力に誘われて落ちて行った。

『でも、私…沢山の人達が好きなの。家族も村の人達もノブも…でもいっぺんには選べない…』

真理子さんは僕の両手からスルリと抜け出すと立ち上がった。
ちょうどランプの下に背中を向けて立っている。

『だから、私は今夜鬼になる…』

真理子さんは背中を向けたままポツリと呟いた。か細い身体に白いシャツと黒い髪が張り付いている。

真理子さんは両手を前へ、ちょうど鎖骨あたりへと伸ばして何かをやっている。

背中側しか見えない僕には彼女が何を始めたのかがわからない。
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