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鬼ヶ瀬塚村
第13章 人間道
どこか悲しそうな顔だった。

『ノブ…』

雨粒を目一杯浴びた顔を僕に見せながら真理子さんは僕の名前を呼ぶ。

『ノブ…』

僕の額にヌルリとした生暖かい雨水が流れていく。

『行こう、ノブ?』

雨音が激しすぎて聞き取るのが難しい。
辺り一面をザァザァと鳴らしながら、雨は一層強くなった。

『真理子さん…』

真理子さんは再び背中を向けて歩いて行く。

真理子さんが離れていく。真理子さんが遠くなる。
真理子さんが別人の様になる。

僕は不安で不安で仕方が無かった。

大粒の雨が肩に痛い。

僕は真理子さんを追いかけた。
真理子さんは竹林の土手に足をかけると軽く踏ん張り歩いていく。

道路から外れた竹林の山へと彼女は僕を誘うかのように黙って歩いていく。

傾斜が激しく、足元を濁った雨水が勢いよく流れていく中、僕は真理子さんを見失わないよう追い駆けた。

土が水分を含み、特有の匂いが鼻につく。

『ノブ、あれ見て』

真理子さんが不意に足を止め、スッと右手人差し指を持ち上げた。

僕は肘で顔を拭いながら、それを見る。錆だらけの掘っ立て小屋があった。
よく畑や田んぼで目にする農機具をしまっておくようなやつだ。

『来て』
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