この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
鬼ヶ瀬塚村
第13章 人間道
引き戸の下に段差があり、サンダルが並んでいる。
僕は適当なサンダルを履いて裏側へと出た。

『……ッ!』

白いセーラー服の少女がいた。僕に気付き大きく身体をビクつかせた。

立派なしめ縄のような三つ編みを垂らす少女、典子ちゃんだった。

彼女は荒岩家の家屋の壁に並んだ大きな水瓶の前に立っていた。手には木製の柄杓、小さな唇は濡れている。

吾郎さんが言っていた。
"典子には話しかけるな"と。けれど僕は条件反射的に

『水を飲んでたの?』

と訊ねてしまった。

彼女は動かず、不安そうに僕を見ている。

『………あ…あの…』

小さな唇が申し訳ない程度に動いた。

『………田中さ…ん…でずよね…?』

僕は典子ちゃんに近付いた。典子ちゃんはビクッとし、柄杓を水瓶に置く。そして、一歩後ろへ下がった。

『…あの…あの…わたじ………がっごぅが………あの…昼めじで…………だがら………あの………水飲みに………戻っで…だ、だがら……』

『典子ちゃんだよね?』

僕が言うと彼女は再びビクッと身体をひきつらせ

『……ん…んだ』

と、目線を足元へ落とす。睫毛がかすかに動き、黒い瞳が地面を左右に見ていた。
/486ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ