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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第11章 マリ…出逢い

いくらアマチュアといっても
ビジュアル系ロックバンドの
ボーカルのマリと
ごく普通の平凡な主婦の私。
どう考えても
釣り合うわけないのに―――。
私の方が8つも年上で
唯一救いだったのは
私が童顔だってことくらい。
マリは自分で言ってたけど
老けてるから
私とはお似合いだって。
と言っても
一緒に歩くと30cm以上の身長差。
百歩譲っても
お似合いだとは言えなかった。
なのに
マリは私のことを可愛いと言い
猫のように懐いてくる。
私もそんなマリが可愛くて
ついマリの言葉に乗せられてしまう。
カラオケBOXを出たあと
私達は手を繋いで
というより…
手を繋がれて
私の車を止めている駐車場へ向かった。
大通りに出る前に
マリはサングラスをかけてしまったけれど。
年下のカッコイイ男の子を連れている自分が
ちょっと誇らしく思えた。
駐車場の入り口に着いたところで
マリは手を離し
『じゃ、ここで。』
「え?
乗って行かないの?
家まで送るのに。」
そう言ったけれど
マリは笑って首を振った。
『都会の道は
走り慣れてないでしょ?
それに、早く家に帰ってやりなよ。』
そう言うマリの本心はわからないけれど
私は素直に従うことにした。
実際、車線の多い道は
走り慣れていない。
「じゃ、またね。」
『うん、連絡するから』
そんな言葉を残して
私達は別れたのだった。

