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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第11章 マリ…出逢い

こんなに近くで見つめらたら
まるでヘビに睨まれたカエルのようで
動くことなんて出来るわけない。
マリの顔が
さらに近づいてきて
私はキスされるんだと思って
思わず目を閉じた。
けれど
いつまでたっても
唇に何かが触れる感触はない。
その代わりに
私の耳元に何かが触れた。
『みゆきって
こんな匂いだったんだ…』
慌てて目を開けると
私の左肩のあたりに
マリの顔があってビックリする。
私の耳に触れていたのは
サラサラしたマリの髪。
「ホントに私でいいの?
もっとイイ子がいるでしょ?」
そのとき
マリの唇が
少しだけ…
私の耳に触れたような気がした…。
『みゆきがいいんだ。
みゆきじゃなきゃ
ダメなんだ…』
わたしの耳元で
切なそうに囁くマリの声を聞いていると
うっとりしてしまうけれど。
決して流されちゃいけない。
魔法にかかっちゃいけない。
そう思いながらも
私は何も言えなかった…。
何故だかわからないけれど
マリは私を必要としてくれている。
だったら
私に出来ることはしてあげたい。
そんな愛おしい気持ちで
私はそっと
マリの髪を撫でた…。

