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第11章 マリ…出逢い

それから
カラオケBOXの個室で
歌も歌わずに
いろんな話をした。


けれど
マリは掴みどころがなくて
真剣に話をしようと思っても
すぐにはぐらかされてしまう。


「劇的な演出って…
　いったい何考えてたの？」


『みゆきを驚かせること』


ん～。。

言葉が出てこない。



「だから～

　今日がはじめてなんだよ！

　逢ったばかりでしょ？」



『そうだね』



なのに、どうして…

また言いかけて
やめてしまった。



これ以上
聞いたって
どうしようもない。



マリはじっとこちらを見据えて
問いただすことを諦めた私に
ただ優しく微笑んでいた。



自分の作戦に
見事に引っかかった女が
そんなに面白いのだろうか？



それとも…？