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第11章 マリ…出逢い

マリは、女の扱いに慣れている。


どうすれば女が喜ぶのか
そのシチュエーションを計算した上で
用意周到に準備して
私を驚かせたんだ。


もしかしたら
とんでもない遊び人かも知れないと思いながらも
既にマリに惹かれてしまっている私がいる。


『じゃ、あらためて

　感想は？(笑)』



「も～

　死ぬほどビックリしたし

　めっちゃ歌上手やし

　めっちゃカッコイイし…！(笑)」



『そっか～。

　良かった！

　俺もみゆきのこと

　気に入ったよ♪』



ドコが？

…と言いかけて
やっぱりやめた。



マリに騙されているのなら
それでもいいと思った。



こんなトキメキを与えてくれる人なんて
そう多くはいないだろうから。



今の私に

少しでも幸せな気持ちを与えてくれるなら

遊び人でもかまわない。



私が本気にならなければ

…いいだけのことだ。





ただ、それだけの

ことなんだから――。