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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第11章 マリ…出逢い

『みゆき…?』
マリの声が近くなったようで
慌てて顔を上げると
そこには
マリの細い指があった。
私はその指を払いのけて
大きく溜め息をつくと
思い切って口を開いた。
「ちゃんと説明してよ!
どうしてあそこに居たのが
私だってわかったの?」
聞きたいことは
たくさんあったけれど
それ以上の言葉が出てこない。
私は
マリが言ったように
怒っているんだろうか?
いや、そうじゃない。
驚きと感動が
次々に起こり過ぎて
ただ戸惑っているだけ。
だって
ほら…
もうマリのこと
こんなに好きになってるんだもん…。
『身長は聞いてたから
あの交差点の近くにいる
それっぽい女の人を探してたんだ。
年齢とか髪型とか
こんな感じかなーって思って
ちょうど俺が見てたとき
みゆきが急に立ち止まって
携帯を取り出してメールして
そしたら…
すぐに俺の携帯が鳴った。
これで、ほぼ確定してたんだけど。
そのあとの俺が送ったメールで
かなり動揺しながら
まわりを見たでしょ?
もう間違いないなーって決定(笑)
ここまではOK?』
「…うん。」
『あんな人通りの多いところに居たら
目立っちゃうでしょ?
だから、
サングラスを外してもいいところまで
みゆきを連れてった。
OK?』
「…うん。」
『顔が似てるって言わなかったのは
ただ驚かせたかっただけ。
OK?』
「…うん。」
『やっぱ、初めて逢うんだしさ~
劇的な演出って
大切でしょ?』
―――そこは、頷けなかった。

