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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第7章 京都の彼…出逢い

『おまえ、マジで今
どこにおるんや?』
「あと300メートルくらいかな
五条堀川の交差点まで」
『………………』
「どうしたん?
ビックリした?」
『ほんまに…
お前っちゅう奴は…』
そこから先は
声にならないようだった。
驚きと戸惑いと…?
『とりあえず
五条堀川を左折して
どっか止めれるとこで待っとれっ!』
話しているうちに
五条堀川の交差点に辿り着いた。
慌てて指示器を出して左折する。
そのとき
向こう側の車線の右折レーンの先頭に
彼の車らしきトラックの色が
ちらっと見えたような気がした。
『今、曲がった白い車
お前やろ!』
「そーだよぉ!
よくわかったねー」
『ほんまに来よったんか…』
「だから来てるって言うてるやん」
『どあほっ!
仕事中や言うてるやろ!』
と話す彼の声は
決して強い口調ではなかった。
暫くして
私の車の後ろに
1台のトラックがとまった。
運転席から降りた彼が
こちらに向かって歩いてくるのが
ドアミラーに映っている。
この広い京都市内で
待ち合わせもせずに出逢えたのは
殆ど奇跡と言ってもいいくらいの偶然だった。
だから私は
このときから
出逢うべくして出逢った運命の人だと
勝手に思うことにしたんだ(笑)

