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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第17章 亮輔…失った記憶

頭が混乱していた…。





けれど…

私が亮輔に乱暴されたと思える事実が
こんなにも揃っている。



シャワーで洗い流した
粘り気のある液体。



テーブルの上にあったメモ。



疑いようのない事実があるのに
それでも私はまだ
信じたくはなかった…。





手と足にある擦り傷は
きっと家具か何かにぶつけたんだろう。





だけど…
背中の火傷のような痕は…?





部屋の中を
ぼんやりと眺めながら考える。





そのとき
リビングの中央に敷かれた
竹製のラグのところで視線が止まった。





目が覚めたとき
私が横になっていたところ。










答えは簡単なことだった。



竹製のラグの上で
意識のない私に挿入を繰り返したのなら
背中に傷がつくのも納得できる。



けれど
擦れて火傷のような痕になるなんて
どれだけ激しかったんだろう。





また背中が酷く痛みだした。





この傷の手当は
どうすればいいんだろう…?





散らばった服を片付けて
タンスから新しい服を取り出す。




そして…

Tシャツを着ようとしたとき
また背中に激痛が走った。




このままでは
服を着ることも出来ない。




救急箱から消毒薬とガーゼを取り出し
背中の傷を鏡に映るようにして
そっと手当てをしていく。





ふいに
とてつもない悲しみに襲われて

涙が溢れ出るのを
とめることは出来なかった…。





嗚咽のような声が漏れ出るのを
タオルで塞ぐようにして…

リビングでただひとり
涙を流すことで

起きてしまった事実を
受け入れようとしていたのかも知れない。



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