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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第3章 結婚生活

夕方になっても
私の体調は相変わらずで
どうにも身体が重くてしようがない。
ふと、その時。
1つの考えが思い浮かんだ。
もしかしたら…?
もとから生理不順に悩まされていた私の生理周期は
ハッキリしていない。
そんな私が妊娠するなんて
すぐには考えられなかった。
それに3度目の堕胎手術の時には
二度と妊娠は望めないかもしれないって言われたから。
とりあえず
私は妊娠検査薬を買ってくることにした。
思い悩んでいても仕方ない。
検査をすればすぐにわかることなのだ。
皮肉にも過去の経験が私を後押しした。
――判定は、間違いなく陽性だった。
赤い線がくっきりと浮かび上がっている。
何度見ても、それは同じで
普通なら喜ぶべきところなんだろうけれど
私は何か納得できないものを感じていた。
それは
バスへの未練だったのか…?
それとも
現実を受け入れられなかったのか…?
翌日、私は産婦人科を訪れた。
妊娠検査薬の精度は99%以上。
結果はほぼわかっていたものの
妊娠を認めたくなかった私は
ドクターに間違いだと言って欲しかったのだ。
『おめでとうございます。
2ヶ月目に入ってますね』
その瞬間、私の淡い期待は露と消えてしまった。
――結婚から
およそ1年後の夏のことだった。

