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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り

「母は私が心から望んだ家庭の温もりを与えてくれなかった。膝に乗せて本を読み聞かせたり、手を繋いで庭を歩いたり。そんな何でもないささやかなふれあいを私は欲しかったんだ。何人もの家庭教師や高価な玩具、そんなものは何の価値もなかったよ。ただ母に抱きしめて頬ずりして貰えれば、それで十分だった」
ユンが優しい笑みを浮かべた。
「そんな私から見れば、明姫は贅沢だと思う。帰る家とそこで待ってくれている人がいる。それがどんなに恵まれた幸運なことか、そなたはまだ判っていない」
と、ユンが眼を見開いた。
「どうしたんだ! 泣いているのか」
ユンが優しい笑みを浮かべた。
「そんな私から見れば、明姫は贅沢だと思う。帰る家とそこで待ってくれている人がいる。それがどんなに恵まれた幸運なことか、そなたはまだ判っていない」
と、ユンが眼を見開いた。
「どうしたんだ! 泣いているのか」

