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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り

ふとユンが笑いをおさめ、真顔になった。
「私の子どもの頃の話は少ししただろう? 父が早くに亡くなり、母と二人だけだった。その母を私は愛せなかった。母は私に母なりに精一杯の愛情を注いでくれたのだとは理解できたが、母の過剰な愛も愛の示し方も、幼かった私には重すぎた。たぶん、母の愛を受け容れられなかった私以上に、母は傷つき悩んだはずだ」
いつしか揚げパンを握りしめる明姫の手が震えていた。
「何故、私が母の愛を受け容れられなかったか判るかい?」
明姫は首を振ることで意思表示を示した。泣いていることをユンに知られたくなかったからだ。
「私の子どもの頃の話は少ししただろう? 父が早くに亡くなり、母と二人だけだった。その母を私は愛せなかった。母は私に母なりに精一杯の愛情を注いでくれたのだとは理解できたが、母の過剰な愛も愛の示し方も、幼かった私には重すぎた。たぶん、母の愛を受け容れられなかった私以上に、母は傷つき悩んだはずだ」
いつしか揚げパンを握りしめる明姫の手が震えていた。
「何故、私が母の愛を受け容れられなかったか判るかい?」
明姫は首を振ることで意思表示を示した。泣いていることをユンに知られたくなかったからだ。

