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優しいヒトに虐められてます。
第7章 おねだり
彼がこうして自分の話をしているのは
初めての気がした。
いつも一方的にハルのこと(主に恥ずかしい部分)を
知られるばかりなので、この時間は貴重に思えた。

「そんなことないよ」
ハルは大津川の発言を否定した。
「トウキくんはなんだかんだで私のこと
大切にしてくれるし、きっとここまで
人を大切にできるのは一種の才能みたいなものだよ。

それに私の心の中のこともすぐ察しちゃうし。
それって、人の気持ちをわかろうとしない人には
できないことだと思うから。
だから、機械いじりしかできないなんてことないよ」

なぜ自分がここまで必死になっているのか
ハルは自分でもわからなかった。

大津川は自嘲気味に笑った。
「別に誰にでもってわけじゃないよ。
でもありがとう。別にネガティブに言ったつもりは
なかったけど、ハルがそういう風に言ってくれると嬉しい」

誰にでもってわけじゃない……
それって、私にだけ優しくしてる、ってこと?
どうして私なんだろう……
ハルの中で疑問が生まれるが、答えは出るはずもなかった。
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