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優しいヒトに虐められてます。
第7章 おねだり
「あ、あのさぁ」
「ん?」
水を飲み終えコップを置いた大津川が
珍しく言いにくそうに鼻を搔いていた。
照れているようだ。

「胸を隠したくてそうしてるのかもしれないけど
その向きだと、横からちょっと見えてて逆にエロい。
かわいいからそのままでもいいけど」

「っ!」
ハルは自分の胸をちらっと見てから
慌ててお尻の向きを変えた。
今度は彼に対して正面を向く。

「ブフッ!」
彼が吹いた。
「今度は何ッ!?」
ハルもむきになって尋ねる。

「い、いや」
彼の視線がハルの身体の下方を向いている気がした。
ハルが気付くのと彼が説明するのが
ほとんど同時だった。

「君無防備に内股だからさ、その姿勢だと
股間が丸み……」
「言うなぁあああ!」
夜なので声を押さえて叫びつつ
ハルは女の子座りになって胸と股間を手で隠した。
どうも彼といると警戒心が緩むようだった。

改めて彼の顔を見ると、少し赤くなっている。
視線をこちらに向けたりそらしたり。
こういう隠し方をすると、これはこれでまた
男性からしたらエロく見えるのかもしれない。

気付いたものの、ハル的には胸も下半身も隠したい
所存なので、とりあえずはこの姿勢を保つことにした。
彼からすれば、変に見せられてちょっとした
生殺しになるかもしれないが
散々イジメられたハルからすればむしろ小気味いい。

こ、このまま欲情されて襲われちゃったら……
と、妄想して興奮しそうになったことは彼には秘密。
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