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優しいヒトに虐められてます。
第7章 おねだり
ハルの手首を包むように握る彼の両手に
小さな力が入った。

――ハルの手は動かない。
まだ力が入って固まっている。

「安心して、大丈夫だから」
彼の両手にさらに力が加わる。
それでもまだ優しいぬくもりが感じられる。

――ハルの両手が少し浮いた。
が、まだそこで止まっている。

いったん手を放した大津川は
ハルの頬を手の甲で優しくなぜた。
「力、抜いて」
頬を触れられ、目を閉じたままのハルの眉間に
一瞬力が入る。
しかしなぜられ続けるうちに
両手の力と共に全身の緊張が解かれた。

「リラックスできた?」
コクリとハルは頷く。
「じゃあ、行くよ?」
彼の問いかけに、ハルはもう一度頷く。

彼の手が、胸を隠すハルの手を優しく握った。
今度はもう、その手を拒みはしなかった。

ハルの両手が、頭の横に移動した。
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