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第7章 おねだり

そんなハルの葛藤を知ってか知らずか
彼は提案した。
「じゃあ、どうしても恥ずかしかったら
止めて。嫌に思ったりはしないから
ムリはしないで」

ハルは頷いた。
「うん。じゃあ、行くよ」
大津川の手が、ゆっくりと
ハルのパジャマを上にめくり始めた。

脇腹のあたりにパジャマがこすれる。
パジャマが内側に留めておいた体温のぬくもりが
めくれていくお腹の下の方からどんどん逃げていく。

脱がされていく、という感覚。
さっそく彼の腕を掴みたくなる衝動を
何とか抑える。

上半身が、もうじきすっかり露になる。
彼の手によって。
じわじわと込み上げてきたのは
乙女チックな羞恥心と――
そしてゾクゾクするようなオンナとしての興奮。

めくれていくほどに、彼の手を押さえたいという
乙女としての欲求が強くなった。
同時に、見てほしいというオンナとしての情欲が
ハルの腕の抵抗しようとする意志を抑えた。

相反する意志に板挟みになったハルの両手は
めくりあげていく彼の手の傍で
ぷるぷると震えていた。

どちらも本物の、ハルの気持ち。

ハルのパジャマをめくる彼の手が
ついに二つの膨らみのふもとに到達する。
「行くよ……」
いったん手を止めてあらかじめ言ってくれる。

ハルはいつの間にか閉じていた瞼を
さらにきつく力を込めて閉じた。

――ハルのパジャマが一番上まで引き上げられた。