この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
王子様は、きらきら星の住人
第1章 壊れたきらきら星
母親どうしが仲良しだったということもあり、ふたりは一緒に遊ぶことが多かった。
彼の家のリビングで、母親達が噂話に夢中になっている間、ふたりでピアノに向かい、思い付いたでたらめなメロディーを弾いては歌い、笑い転げた。
“真由ちゃんの音の色は、他の人とぜんぜん違うね”
“色……て、何?”
“僕にはわかるんだ”
“ふうん……”
“真由ちゃんのピアノを聴いてる時が、一番楽しいな”
“私も、とーた君といる時が一番楽しい!”
「とーた君……」
思わず呟いた真由だったが、今、ステージの上だという事を思い出す。崖っぷちに立たされているかのような恐怖が再び沸き上がってくる。
先生は、目をまん丸にして首を傾げ、指揮棒を高々と上げたポーズのまま、真由を凝視していた。
「始めますよ?」
小声の中に緊張と苛立ちがにじんでいる。
そりゃそうだーープログラム通りに発表会を進めることが、この日の彼女には一番大事なのだから。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


