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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第7章 女帝との対面



「あなたは部屋に居なさい。大丈夫、彼をとって食う訳じゃないから」



 ドアの僅かな隙間から覗いているしのに、小百合は背を向けたまま穏やかに言う。堺は床に頭を付けたまま、しのの気配を感じとると頬を染めた。

 

「ママ、堺さんを怒らないで?私が……私が誘ったの」


 しのが必死になって庇うのを見て、小百合は口の端を上げ、耳まで赤くなった堺の頭に視線を落とすと、綺麗に磨かれた爪で彼の旋毛に触れた。
 
 堺はビクンと震える。


「ママっ」

「大丈夫だって言ったでしょ?ママはもう少し彼と話すから、部屋へ戻りなさい」  
 
 
 小百合は形の良い堺の旋毛を鋭い爪先で円を描き、くつくつ笑った。


「ママ……」

「戻りなさい」

「――っ」



 静かだが、有無を言わさぬ迫力の小百合の言葉にしのは従うしかなく、心配そうに堺を見ながらドアを閉じた。

  
 



 
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