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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第21章 まもなく境界線に、電車が参ります
それから一度、静かに……けれども深く呼吸をして、その一歩を踏み出す。
と、その時──
「キュッ?」
「……っ!?」
突如として、耳をつんざくような甲高い鐘の音と横殴りの凄まじい暴風が、神依と子龍を襲った。
音源がいくつもあるのか、それともこだましているのか──音は二重にも三重にも響き、頭の芯や耳の奥を痺れさせる程に大きい。そしてカァンカァンと一定の拍を連続して刻み、それはまるで、神依が見たことも聞いたこともない巨大な楽器が天で打ち鳴らされているかのようだった。
それに混じって、空気を引き裂くように襲ってくる風。
(──見えない龍)
不意に頭を過ったのは、斎水分神の背に乗ったあの夜のこと──空に浮き上がった瞬間の、嵐のような──。それが自分の中を駆け抜けていくように長く長く続き、神依は思わず耳を両手で覆いその場にしゃがみこんだ。
凄まじい速度の風と風音には、ガタゴトと不安定に重い金属が触れ合う音と、喉を引き絞った死に際の鳥の声のような音が混ざっていて、それが神依にはひどく恐ろしい。だからただひたすら、それらが過ぎ去る時まで目をつむってじっと耐えた。
そして同じように、子龍もまた神依の外套の中に潜り、その音と風とを遣り過ごす。
と、その時──
「キュッ?」
「……っ!?」
突如として、耳をつんざくような甲高い鐘の音と横殴りの凄まじい暴風が、神依と子龍を襲った。
音源がいくつもあるのか、それともこだましているのか──音は二重にも三重にも響き、頭の芯や耳の奥を痺れさせる程に大きい。そしてカァンカァンと一定の拍を連続して刻み、それはまるで、神依が見たことも聞いたこともない巨大な楽器が天で打ち鳴らされているかのようだった。
それに混じって、空気を引き裂くように襲ってくる風。
(──見えない龍)
不意に頭を過ったのは、斎水分神の背に乗ったあの夜のこと──空に浮き上がった瞬間の、嵐のような──。それが自分の中を駆け抜けていくように長く長く続き、神依は思わず耳を両手で覆いその場にしゃがみこんだ。
凄まじい速度の風と風音には、ガタゴトと不安定に重い金属が触れ合う音と、喉を引き絞った死に際の鳥の声のような音が混ざっていて、それが神依にはひどく恐ろしい。だからただひたすら、それらが過ぎ去る時まで目をつむってじっと耐えた。
そして同じように、子龍もまた神依の外套の中に潜り、その音と風とを遣り過ごす。

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