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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第21章 まもなく境界線に、電車が参ります
よく見ると自身の背よりも高い草や木々の隙間から、今まで見てきたものとは異なる建物の残骸が覗いている。
(お父さん……素戔鳴様の御殿に似てる……)
とはいえ既に大半が崩壊しているようで、何かがいる気配も無い。元はかなり大きな建物だったことも窺えるが、今はかろうじて残った壁や基礎が判別できる程度だった。
ただ、
(知ってる。……確かに私は、ここを知ってる)
それで確かに「あの場所」に近付いていることだけは分かって、神依は眉をひそめてもう一度辺りを見回した。
道の先には、高欄が設けられた巨大な門が聳えている。こちらも崩れかけてはいるが、柱は未だ重そうな二階部分を支え、左右には屋根のある長い壁が途切れ途切れに続いていた。
扉は開かれている。開かれているというよりは留め具が劣化しただけな気もするが、厚い扉板は泥酔した人間のようにだらりと斜めになって、地に伏せていた。
そして、門の内側に在った神依はそれを仰ぎ呟く。
「……間違いない。ここは……」
やはり、「視た」ことがある。
自分の考えに間違いがなかったことを悟った神依は、同時にその先にあるものをも悟り、自らを鼓舞するように、お守りの勾玉を外套の上から握りしめた。
(お父さん……素戔鳴様の御殿に似てる……)
とはいえ既に大半が崩壊しているようで、何かがいる気配も無い。元はかなり大きな建物だったことも窺えるが、今はかろうじて残った壁や基礎が判別できる程度だった。
ただ、
(知ってる。……確かに私は、ここを知ってる)
それで確かに「あの場所」に近付いていることだけは分かって、神依は眉をひそめてもう一度辺りを見回した。
道の先には、高欄が設けられた巨大な門が聳えている。こちらも崩れかけてはいるが、柱は未だ重そうな二階部分を支え、左右には屋根のある長い壁が途切れ途切れに続いていた。
扉は開かれている。開かれているというよりは留め具が劣化しただけな気もするが、厚い扉板は泥酔した人間のようにだらりと斜めになって、地に伏せていた。
そして、門の内側に在った神依はそれを仰ぎ呟く。
「……間違いない。ここは……」
やはり、「視た」ことがある。
自分の考えに間違いがなかったことを悟った神依は、同時にその先にあるものをも悟り、自らを鼓舞するように、お守りの勾玉を外套の上から握りしめた。

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