この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第21章 まもなく境界線に、電車が参ります
単純にもう一度、彼らが望む神様に会わせてあげられたらと思ったのだが……やはり神依には分からない、それ以外の隔たりもあるようだった。
そして彼らの心が慰められるのは、もしかしたらそういうことではないのかもしれない。
そのまま最後まで女達に付き添われ外に出れば、雨はすっかり止んでいた。蓮の葉は里の水辺に奉りたいと彼女達から申し出があり、神依も喜んで預けることにした。神事として手順を踏めば、ちゃんと根が張り花も咲くらしいので、少なくともどこかで自分に置き去りにされるよりはいい。
そして男達はそれを、自ららが想う神と神依という稀人(マレビト)の名残として愛で、また彼女の歩んできた道を語り継ぐという。
「……それなら私も、花を捧げます。私は巫女だから……あなた達を神として、あなた達を忘れてしまった人達の代わりに、想います。空と海の雲を見るたびに、思い出します。それで、私の……父にも、届くように。あなた達のことを語ります」
「神依様……!」
「お世話になりました。……本当に、ありがとう」
「……」
子龍と共にぺこりと頭を下げれば、男達はその場に跪き、なお深く礼を取って神依を見送る。
足音が遠ざかり、次に顔を上げたとき──少女の姿は道の彼方にあったが、その背が消えるまで彼らはその場に佇み続けていた。
そして彼らの心が慰められるのは、もしかしたらそういうことではないのかもしれない。
そのまま最後まで女達に付き添われ外に出れば、雨はすっかり止んでいた。蓮の葉は里の水辺に奉りたいと彼女達から申し出があり、神依も喜んで預けることにした。神事として手順を踏めば、ちゃんと根が張り花も咲くらしいので、少なくともどこかで自分に置き去りにされるよりはいい。
そして男達はそれを、自ららが想う神と神依という稀人(マレビト)の名残として愛で、また彼女の歩んできた道を語り継ぐという。
「……それなら私も、花を捧げます。私は巫女だから……あなた達を神として、あなた達を忘れてしまった人達の代わりに、想います。空と海の雲を見るたびに、思い出します。それで、私の……父にも、届くように。あなた達のことを語ります」
「神依様……!」
「お世話になりました。……本当に、ありがとう」
「……」
子龍と共にぺこりと頭を下げれば、男達はその場に跪き、なお深く礼を取って神依を見送る。
足音が遠ざかり、次に顔を上げたとき──少女の姿は道の彼方にあったが、その背が消えるまで彼らはその場に佇み続けていた。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


