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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第21章 まもなく境界線に、電車が参ります
(そんな……まさか)
……あれからどれだけ時が経っているというのだろう。何百? 何千?
それは現実では到底信じられない──あり得ない出来事だったが、しかしそれが一番合点がいく。何故か不思議と、神依の中ではその答えが受け入れられていた。
「……」
「……いかがなさいますか。おそらくではありますが……片方はまやかしか何か、黄泉が見せる何者かの……」
そして何かを考え込むように黙りこくってしまった神依に、男が問う。
男もまた神依と同じように一つの答えを持ち、それが目の前の少女に取って良くないものであることも多少は心得ていた。ただそれを報せないのは、やはり何かが違うのだという予感もある。少女の歩む道は、何をしようとしまいと、一度はそこに廻ってしまうものの気もしていた。
そもそもこの黄泉国自体が、生ある誰もが無事に歩める訳ではないのだ。けれども少女は数多の神の血と加護を受け、歴史に埋もれたはずの自分達の魂さえ興し──平然とここに在る。
その加護が全て善意のものならばいい。しかし、果たしてそうなのだろうか。
例えば家畜や愛玩動物の首に紐をくくるのは、加護でもあるし支配や執着の証でもある。
……あれからどれだけ時が経っているというのだろう。何百? 何千?
それは現実では到底信じられない──あり得ない出来事だったが、しかしそれが一番合点がいく。何故か不思議と、神依の中ではその答えが受け入れられていた。
「……」
「……いかがなさいますか。おそらくではありますが……片方はまやかしか何か、黄泉が見せる何者かの……」
そして何かを考え込むように黙りこくってしまった神依に、男が問う。
男もまた神依と同じように一つの答えを持ち、それが目の前の少女に取って良くないものであることも多少は心得ていた。ただそれを報せないのは、やはり何かが違うのだという予感もある。少女の歩む道は、何をしようとしまいと、一度はそこに廻ってしまうものの気もしていた。
そもそもこの黄泉国自体が、生ある誰もが無事に歩める訳ではないのだ。けれども少女は数多の神の血と加護を受け、歴史に埋もれたはずの自分達の魂さえ興し──平然とここに在る。
その加護が全て善意のものならばいい。しかし、果たしてそうなのだろうか。
例えば家畜や愛玩動物の首に紐をくくるのは、加護でもあるし支配や執着の証でもある。

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