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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第21章 まもなく境界線に、電車が参ります
聞き慣れない、舐ぶるような──少なくとも子龍にはそう聞こえた──男の声。目を開けば浅黒い大きな影が自分達を覗きこんでおり、巫女の肩にはその体躯に違わぬ手が添えられていた。
「──…!!」
それに驚いた子龍は慌てて神依の布団に潜り込むと、神依の衣や帯紐を一生懸命引っ張ってその手から引き離そうとする。しかし当然のことながら体格の差にそれもままならず、
「……ん、……どうしたの……」
「キュッ」
代わりに目を覚ましてしまった神依に更に慌てて布団から飛び出すと、彼女とその手の主(ぬし)との間に立ちはだかった。
おかげか手は離れたが、男が去る気配はない。
「……え?」
そしてようやく異変を察した神依も一気に意識を覚醒させて、弾かれたように飛び起きた。
──誰か、いる。
真っ白になった頭の中で鼠軼の珠や日嗣の櫛のことを思い出したが、もう動くことが出来ない。取れない。
何をされるか分からない恐怖に体は強張り、冷たい空気の中汗が滲む。しかしそれに気付いた男は一歩を下がると長い四肢を折り曲げ、寝台の脇に跪いた。額から伸びた二本の角が反り、垂らすに任せた赤みがかった髪が艶やかに褐色の頬に流れる。
「──…!!」
それに驚いた子龍は慌てて神依の布団に潜り込むと、神依の衣や帯紐を一生懸命引っ張ってその手から引き離そうとする。しかし当然のことながら体格の差にそれもままならず、
「……ん、……どうしたの……」
「キュッ」
代わりに目を覚ましてしまった神依に更に慌てて布団から飛び出すと、彼女とその手の主(ぬし)との間に立ちはだかった。
おかげか手は離れたが、男が去る気配はない。
「……え?」
そしてようやく異変を察した神依も一気に意識を覚醒させて、弾かれたように飛び起きた。
──誰か、いる。
真っ白になった頭の中で鼠軼の珠や日嗣の櫛のことを思い出したが、もう動くことが出来ない。取れない。
何をされるか分からない恐怖に体は強張り、冷たい空気の中汗が滲む。しかしそれに気付いた男は一歩を下がると長い四肢を折り曲げ、寝台の脇に跪いた。額から伸びた二本の角が反り、垂らすに任せた赤みがかった髪が艶やかに褐色の頬に流れる。

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