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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第21章 まもなく境界線に、電車が参ります
まるでここにいたら、どこか別の世界に飛ばされてしまうのではないか……二度と大切な人達と会えなくなるのではないかと、頭が真っ白になるほどの虚ろな不安が、神依を襲った。
理由は分からない。ただ、真っ白な景色に一人、ぽつんと取り残されている姿が思い浮かんで怖くなった。
誰もいない。禊も、童も、洞主も、大兄も、子龍も、端神達も、巫女達も、猿彦も、伍名も、月読も、天照も……日嗣も。
お父さんとお母さんも。
……おとうさんとおかあさん?
(──だめ)
その先に思い至る間際、自らの声で自らを制止する声が頭の中で響き、神依は慌てて瓦礫から手を離す。
寒かったはずなのに何故かうっすらと汗が滲み、心臓がドクドクと激しく波打っていた。神依はそれを抑えるように胸元で勾玉を探り、布の上から握りしめる。ちゃんとある。水晶の紐飾りも、手首にしっかりと結ばれていた。
(大丈夫……大丈夫。ここにある)
本当はこの世界に皆がいなかったなんて……そんなことはない。
神依は一度深呼吸すると、少しだけ強張った笑みを浮かべて子龍を見遣った。
「……これだけ頑丈なら、雨宿りはできそうだね。行こっか」
「キィ」
子龍もきょろきょろと辺りを見回し、寒さに耐えるように縮こまると小さく鳴いた。
理由は分からない。ただ、真っ白な景色に一人、ぽつんと取り残されている姿が思い浮かんで怖くなった。
誰もいない。禊も、童も、洞主も、大兄も、子龍も、端神達も、巫女達も、猿彦も、伍名も、月読も、天照も……日嗣も。
お父さんとお母さんも。
……おとうさんとおかあさん?
(──だめ)
その先に思い至る間際、自らの声で自らを制止する声が頭の中で響き、神依は慌てて瓦礫から手を離す。
寒かったはずなのに何故かうっすらと汗が滲み、心臓がドクドクと激しく波打っていた。神依はそれを抑えるように胸元で勾玉を探り、布の上から握りしめる。ちゃんとある。水晶の紐飾りも、手首にしっかりと結ばれていた。
(大丈夫……大丈夫。ここにある)
本当はこの世界に皆がいなかったなんて……そんなことはない。
神依は一度深呼吸すると、少しだけ強張った笑みを浮かべて子龍を見遣った。
「……これだけ頑丈なら、雨宿りはできそうだね。行こっか」
「キィ」
子龍もきょろきょろと辺りを見回し、寒さに耐えるように縮こまると小さく鳴いた。

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