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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第21章 まもなく境界線に、電車が参ります
【2】
そんなふうに、比較的過ごし易い環境でひたすら歩数だけを稼いできた神依にも、数日が経てばやはり疲労の色が見え始めてくる。
当初から無理はしないようにと自分ができる範囲で歩んできたつもりだったのだが、いかんせん寝込んでいた時間の方が長く、体はすっかりなまってしまっているようだった。
(こんなことになるなら狸寝入りなんてするんじゃなかった)
そうは思えどもう遅い。
加えて櫛名田が憂慮していた通り、お腹一杯に美味しくご飯を食べられたのは最初だけ。あとは乾物や、量だけはある干した菜や豆を粉で固めた保存食と……唯一の癒しはたまにかじる干菓子や飴だけだった。
だがそれだけではやはり体力もすり切れていくようで、幾夜かを眠り昼夜の感覚が失せる頃には、神依は自分でも分かる程に足を止める時間を増やしてしまっていた。
「……」
今にして思えば、毎日舞の稽古に通っていたあの頃が懐かしい……。
「わっ」
と、そこまで考えた時、ぐしゃりと沓(くつ)が今までとは違う土を踏んで、神依は慌てて後ろに一歩飛び退いた。ぼうっと歩いていて全く周りを見ていなかったが、またどこか違う場所に辿り着いたらしい。
そんなふうに、比較的過ごし易い環境でひたすら歩数だけを稼いできた神依にも、数日が経てばやはり疲労の色が見え始めてくる。
当初から無理はしないようにと自分ができる範囲で歩んできたつもりだったのだが、いかんせん寝込んでいた時間の方が長く、体はすっかりなまってしまっているようだった。
(こんなことになるなら狸寝入りなんてするんじゃなかった)
そうは思えどもう遅い。
加えて櫛名田が憂慮していた通り、お腹一杯に美味しくご飯を食べられたのは最初だけ。あとは乾物や、量だけはある干した菜や豆を粉で固めた保存食と……唯一の癒しはたまにかじる干菓子や飴だけだった。
だがそれだけではやはり体力もすり切れていくようで、幾夜かを眠り昼夜の感覚が失せる頃には、神依は自分でも分かる程に足を止める時間を増やしてしまっていた。
「……」
今にして思えば、毎日舞の稽古に通っていたあの頃が懐かしい……。
「わっ」
と、そこまで考えた時、ぐしゃりと沓(くつ)が今までとは違う土を踏んで、神依は慌てて後ろに一歩飛び退いた。ぼうっと歩いていて全く周りを見ていなかったが、またどこか違う場所に辿り着いたらしい。

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