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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第21章 まもなく境界線に、電車が参ります
そんな彼女と神依は語らい、その終わりに手元へやってきた幼き龍の子は、今その黄泉国に在っても傍らに付き添い神依の心を和ませてくれる。
 (……この子はもしかしたら、女神様が遣わしてくれた特別な子だったのかもしれない。……だからあの時……)
……御霊祭の夜も、自分を日嗣と引き合わせてくれた。
 (……)
そう考えれば、心許ない黄泉の旅路にも光が射したような気さえする。だから神依は翌日からの道程、道を選ぶ時は子龍を窺い、その意思を優先して進むことにした。
 なので、海で拾った迷子の甘えん坊を預かっているだけ──という今までの認識も少しだけ改め、子龍が何かを示してくれた日の晩は特別に大きな石粒を選んで捧げ、心の中ではこっそりと手を合わせる。
 「──日嗣様に会えたら、あなたも日嗣様にしかもらえないご褒美をおねだりしなきゃね」
「?」
子龍はそれには小首を傾げるだけだったが、そういう時はご飯を余分に貰えたりたくさん構ってもらえたので、例えば神名を貰ってどこかの池や川に祭られるような──この巫女と離ればなれにされるような嫌なことではないのだと思い直し、ご機嫌な陽気でまた神依に愛撫をねだったのだった。
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