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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第21章 まもなく境界線に、電車が参ります
やはり擦れて赤くなっていたかかとに薬布(やくふ)を当て、ひとまずは今夜、安全に眠れそうな場所を見つけることを目標に、神依は再び歩き始めるのだった。
***
実際、神依の道程はそれほど困難なものではなかった。
今日歩むのも、神依には見覚えのない田園地帯の畦道だったが、しっかり踏み固められた轍(わだち)が残っていて歩くには易い。しばらく進めば小さな茅葺き屋根の家がぽつぽつと建ち並ぶ村に出て、神依は何件かを訪ねて人がいないことを確かめると、一番小さな家を借りてそこを一夜の宿にすることに決めた。
「ここ、秘密のお社から見える村に似てる……不思議」
「キュッ」
神依はぐるりと庭を散策し、そこに生えている植物や池を覗き込んでみるのだが、特に怪しいものは見つからない。ただ地面には木の葉の絨毯が広がり、隅にあった大きな木には、熟れ過ぎて形が崩れた柿がなっていた。
(……私が淡島に帰りたいって思ってるから……? だから、こんな景色になるのかな……)
素戔鳴や櫛名田が語ってくれた黄泉国の理。心持ちが大事だという、神依はそれを思い出しながらお邪魔しますと土間に入る。
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実際、神依の道程はそれほど困難なものではなかった。
今日歩むのも、神依には見覚えのない田園地帯の畦道だったが、しっかり踏み固められた轍(わだち)が残っていて歩くには易い。しばらく進めば小さな茅葺き屋根の家がぽつぽつと建ち並ぶ村に出て、神依は何件かを訪ねて人がいないことを確かめると、一番小さな家を借りてそこを一夜の宿にすることに決めた。
「ここ、秘密のお社から見える村に似てる……不思議」
「キュッ」
神依はぐるりと庭を散策し、そこに生えている植物や池を覗き込んでみるのだが、特に怪しいものは見つからない。ただ地面には木の葉の絨毯が広がり、隅にあった大きな木には、熟れ過ぎて形が崩れた柿がなっていた。
(……私が淡島に帰りたいって思ってるから……? だから、こんな景色になるのかな……)
素戔鳴や櫛名田が語ってくれた黄泉国の理。心持ちが大事だという、神依はそれを思い出しながらお邪魔しますと土間に入る。

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