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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第21章 まもなく境界線に、電車が参ります
そこを進み──どれくらい歩いていたのか正確な時間や距離はわからないが、こんなに歩いたのは間違いなく初めてで、何となく遠くへは来た気がする。
 道が別れている時には棒を倒してみたり、子供達がしていたように童歌に合わせ交互に指を指してみたり。選び方は童遊びそのものだったが、その歩みは一心に進めた。目的地はないけれど、目指すものには淀みのない歩み。
 「ごちそうさまでした」
最後の一つは晩ご飯に取っておこうと決めていたのに、結局美味しさに負けぺろりと全部を平らげて腹が満たされると、ふと淡島での日々を思い出す。
 そういえば、最初に食べたのもお米だった。温かいお粥。それからの日々、好き嫌いは禊に怒られたが、どうしても苦手なものは童がこっそり食べてくれたりもした。好き嫌いのない良い子だった。二人は元気だろうか。
 奥社を出てからは、みんなで食卓を囲んだ。小さいけれど偉大な神を喪い、残された神様達は傷付いていないだろうか。猿彦が与えてくれた加護は、この世界でも活きている気がする。
 そして……
(……日嗣様もこうやって、ちゃんと……お腹いっぱいになってるのかな)
外で食物や水を得られないとなると、自分と同じように持ち歩くことになる。そしてやはり、量に限りもあるだろう。
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