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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第20章 待ち人
『ふふ──どんなに強がったって、こんな磔の姿では私無しじゃ生きられないでしょうに。
……ねえ、そんなにも綺麗な瞳で、あなたはどんな獣(けだもの)に生まれ変わって私の伴侶になってくれるのかしら。四つ足のあなたに組み拉(しだ)かれて床に転がされるなんて、きっと素敵だわ──そうね、そうして人に厭きたら人ならざるものの姿で交わって、二人で永い生を遊びましょう。禍津神にしか味わえない享楽に、二人で溺れてみましょうか──』
裳裾をつと上になぞり、むき出しにされた女の小さな膝小僧が、探るように日嗣の下腹部を押し撫でる。その度に女の腰が揺れ、太ももとその間にあるものを体に擦(なす)り付けられる。まるで本当に犬か何かが交尾をねだっているようだった。
 その下半身の艶かしい動きに違わず上も、一度は袖に隠された女の指が這うように日嗣の頬を撫で唇を割る。女は何かの暗喩のように何度も何度も指先で日嗣の舌を絡め取り、分泌した唾液を人差し指と中指の間に湛えそれを自らの舌と唇とで舐め取った。
 ちゅぷちゅぷとだらしない音。舌を出したままの女の口からは少しずつ唾液がこぼれ始め、また下半身に送り込まれる刺激と相まって口淫をされている気分になる。
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